「そろそろ家をリフォームしたほうがいいのかな?」
そう思っていても、実際には「どこを直せばいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
例えば、水回りが古くなった、外壁が傷んできた、冬になると家の中が寒い――。こうした明らかな不具合があれば、リフォームを考えるきっかけになります。
一方で、
「特に壊れているところはないけれど、なんとなく暮らしにくい」
「昔は使いやすかった家が、今の生活には合わなくなってきた」
ということも、実はリフォームを考える大切なきっかけです。
特に45歳を過ぎると、子どもの成長や独立、仕事や趣味の変化などによって、家に求めるものも少しずつ変わってきます。そこで住宅建築やリフォーム工事をやっているキトダ工務として、京都で戸建て住宅のリフォームを考えている方に向けて、「どんなことがリフォームのきっかけになるのか」を整理してみました。
単に「壊れたところを直す」のではなく、今よりも使いやすく、快適に、そして自分たちらしく暮らすためのリフォームを考えてみるきっかけになれば大変うれしいです。
戸建てリフォームのきっかけで多いのは「水回り」と「経年劣化」
まず、実際にどのような場所がリフォームされているのかを見てみましょう。
オリコンが2025年に実施した「リフォーム利用実態データ」では、戸建て住宅のリフォーム箇所は、トイレが38.7%で最も多く、浴室35.1%、洗面所31.0%、キッチン29.2%と、水回りが上位を占めています。
また、外壁27.2%、屋根19.7%、窓・ドア・建具14.1%など、建物の経年劣化や耐久性、断熱性に関係する部分も一定の割合を占めています。
つまり、戸建て住宅のリフォームでは、「古くなったものを新しくする」ということが大きなきっかけになっています。
ただ、私たちはそこで終わらせる必要はないと考えています。リフォームは「壊れたから直す」だけではありません
国土交通省の資料でも、リフォームの動機として「住宅がいたんだり汚れたりしていた」「家を長持ちさせるため」「台所・浴室・給湯器などの設備が不十分だった」といった理由が上位に挙げられています。
一方で、「不満はなかったが、より良い住宅にしたかった」という動機や、「家族や自分の老後に備えるため」といった理由もあります。
これは、リフォームが単なる修繕ではなく、「これからの暮らしを考える機会」にもなっているということではないかと感じています。
そこで、私たちが戸建て住宅のリフォームを考える際におすすめしたい7つの視点をご紹介します。
(1)水回りが古くなった・使いにくくなった
最初に考えやすいのが、キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの水回りです。
水回りは毎日使う場所だからこそ、少しの不便が積み重なります。例えば、
- キッチンが狭くて料理しにくい
- 収納が足りない
- 浴室が寒い
- 掃除がしにくい
- トイレの使い勝手が悪い
- 洗濯してから干すまでの動線が長い
といったことです。どこの家でも一つくらいは感じておられる不便だと思います。
「壊れたから交換する」だけではなく、「交換したら、今の暮らしはどう変わるのか?」まで考えてみることをおすすめします。
例えばキッチンなら、設備のグレードだけを見るのではなく、「料理をする人がどこから食材を取り出し、どこで調理し、どこへ片付けるのか」まで考える。
そうすると、同じ設備交換でもリフォームの意味が変わってきます。
オリコンの過去の調査でも、キッチンのリフォームで重視するポイントとして「使い勝手(時短・効率性)」が非常に高い割合を示しています。
オリコン「より快適に個性的に?住宅リフォーム市場が急拡大するワケ」
水回りのリフォームについて、詳しくお伝えしているのが、こちら『京都の水回りリフォーム|設備交換だけではない「使いやすい暮らし」のつくり方』のブログです。ご興味ありましたらご覧ください。
(2)冬は寒く、夏は暑い
「家が壊れているわけではないから、リフォームするほどではない」と思われやすいのが、暑さ・寒さです。確かにそうです。生活できないわけではありません。しかし、
- 冬の脱衣所が寒い(暑い)
- 窓際が冷える(暑い)
- 結露がひどい
- 夏の2階が暑い
- エアコンが効きにくい
という状態は、毎日の暮らしの快適性に大きく関係します。そして、それは毎日の気分や気持ちの持ち方にも影響します。
そこで、窓を改善するのか、断熱材を見直すのか、間取りを変更するのか。
住宅の状態によって方法は変わります。
大切なのは、単に「断熱リフォームをしましょう」ではなく、家全体を見て、どこを改善すると暮らしやすくなるのかを考えることです。
また、国土交通省の住宅市場動向調査でも、近年は省エネ設備に関する調査項目が拡充されるなど、住宅の省エネ性能への関心が高まっています。
(3)外壁・屋根など、家の外側が気になってきた
築年数が経つと、外壁や屋根の劣化が目立つようになります。
- 外壁のひび
- 塗装の劣化
- 屋根の傷み
- 雨漏り
- 雨樋の不具合
などですね。
冒頭に出てきたオリコンの戸建てリフォーム実態でも、外壁27.2%、屋根19.7%がリフォーム箇所として挙げられています。
ここで大切なのは、見た目だけで判断しないことです。
例えば外壁にひびがある場合、「塗装すればきれいになる」だけではなく、「なぜひびが入っているのか」まで確認する必要があります。
リフォームは、今きれいにするだけでなく、これから家をどのくらい長く使っていくのかを考える機会でもあります。
外壁や屋根のリフォーム工事について詳しくお話しているブログがこちら『京都の戸建てリフォーム|外壁・屋根の劣化は塗装だけで大丈夫?職人が見るポイント』です。これから検討されるときの参考になさってください。
(4)家事や生活動線が使いにくくなってきた
これは「故障」ではありません。劣化でもありません。だからこそ、見落とされることが多いです。
しかし、毎日の生活で感じる不満としては、とても大きなものです。例えば、
- 洗濯物を干す場所まで遠い(意外につらい)
- キッチンと収納が離れている(意外に面倒)
- 掃除がしにくい(ルンバで全部綺麗になったらいいのに~)
- リビングを通らないと各部屋へ行けない(地味に面倒)
- 使っていない部屋がある(勿体ない気持ちがありつつ物置化)
- 階段の上り下りが面倒(怖いというのもあると思います)
など。
家を建てた当時は家族構成も生活スタイルも違っていたはずです。でも、子どもが独立したり、仕事のスタイルが変わったりすると、昔は便利だった間取りが、今の生活には合わなくなることがあります。
そんなときは、「壊れていないから我慢する」のではなく、「今の暮らしに家を合わせる」という考え方があります。
(5)収納が足りない、または空間を持て余している
「収納が足りない」という相談も、リフォームのきっかけになります。一方で、家の中を見てみると、
- ほとんど使っていない部屋(捨てても良いものの置き場になっていませんか)
- 大きすぎる押入れ(中がガラガラ)
- 使いにくい収納(高すぎ、低すぎで使いにくい)
- 使えない空間(デッドスペース)
があることもあります。
つまり、収納を増やすだけが解決策とは限りません。大切なのは、今ある空間をどう使い直すかです。
造作収納をつくるのか、間取りを変更するのか、使っていない部屋の用途を変えるのか。
こうしたことを考えるのも、リフォームの面白さの一つです。
収納について詳しくお話しているのが「収納が足りないのに部屋は余っている?京都の戸建てリフォームで考えたい家の使い方」のブログです。
使っていない空間(お部屋)をどうすれば上手に使えるのか?そんなご質問もいただきます。ポイントは「暮らしの変化」を見過ごさずに合わせることです。詳しくは「京都の戸建てで使っていない部屋をどうする?|暮らしの変化に合わせるリフォームの考え」でお話していますので、よろしければご覧ください。
(6)これからも、この家で暮らし続けたい
45歳を過ぎると、今後10年、20年、30年の暮らしを考える機会も増えてきます。
だからといって、いきなり「高齢者向け住宅」にする必要はありません。むしろ、「今も快適で、将来も無理なく暮らせる家」を考えることが大切です。
例えば、こういう考え方や工夫があります。
- 浴室の出入りをしやすくする
- トイレを使いやすくする
- 階段の負担を減らす
- 夜間の移動を安全にする
- 生活動線をシンプルにする
国土交通省の過去の調査でも、戸建て住宅では「高齢者が暮らしやすい住宅にするため」という動機が挙げられています。
「今後の暮らしを考える」というとき、大きなバリアフリー工事だけが答えではありません。
「これからの自分たちが、この家でどう暮らしたいか」を考えることから始めてみてはいかがでしょうか。
(7)「もっと家を楽しみたい」という気持ちも、リフォームのきっかけです
私たちが大切にしたいのが、この7つ目の視点です。
リフォームというと、
- 「壊れた」
- 「古くなった」
- 「使いにくい」
というマイナスの理由から始まることが多いものです。
しかし、「もっと楽しく暮らしたい」という理由でもいいのではないでしょうか。
例えば、
- 料理が好きだからキッチンを充実させたい
- 趣味を楽しめる部屋が欲しい
- 庭をもっと身近に感じたい
- 家で仕事をする場所が欲しい
- 夫婦でゆっくり過ごせるリビングにしたい
- 好きな家具や照明が似合う空間にしたい
こうした希望も、立派なリフォームの理由です。
「困っているから直す」だけではなく、「こういう暮らしがしたいから変える」というリフォームがあってもいいと私たちは考えています。
リフォームを考えるとき、「どこを直すか」から始めなくてもいいのです。
ここまで7つのきっかけをご紹介しました。ただ、リフォームを考えるときに、最初から
- 「キッチンを交換したい」
- 「浴室を新しくしたい」
と決める必要はありません。
むしろ、
- 「今の家で、何に困っていますか?」
- 「毎日の生活で、どこが少し面倒ですか?」
- 「これから、家でどんな時間を過ごしたいですか?」
と自分に質問して考えてみることをおすすめします。
その答えから、「では、どこをどう変えればいいのか」を考えていくと、自分を喜ばせるリフォームになっていきます。
それが、私たちが考えるリフォームのスタートです。
キトダ工務が考える「良いリフォーム」
私たちは、リフォームを単なる修繕工事だとは考えていません。もちろん、壊れたところを直すことも大切です。
しかし、その先にある、「これから、この家でどう暮らしたいのか」まで一緒に考えることが、工務店の仕事だと考えています。
そして、そのためには見積書の金額だけではなく、
- どのように使うのか
- 誰が使うのか
- どんな生活をしたいのか
- 何年くらい使っていきたいのか
を理解することが大切です。
キトダ工務では、職人としての経験と技術を持った自社スタッフが現場を監理し、必要に応じて専門性の高い協力業者とも連携しながら工事を進めています。
大切なのは「自社か外注か」という形式ではなく、信頼できる職人が、それぞれの専門性を活かしながら、一つの家を責任を持ってつくり上げることだと考えています。
さいごに
壊れたから直す。不具合があるから直す。これは立派なリフォームを考えるきっかけです。
でも、もう一歩踏み込んでこんな風に自分に質問してみてください。
「こんなふうに暮らせたらいいな」と思うところはどこ?
このときの答えや希望も、立派なリフォームのきっかけです。
住まいを直すだけではなく、これからの暮らしをつくり直す。それが、私たちキトダ工務が考えるリフォームです。
参考資料・関連情報
記事内の統計・調査については、以下の資料を参考にしています。
国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」
令和6年度に住宅の建設・購入・リフォームなどを行った世帯を対象とした国の調査です。
オリコン「リフォーム利用実態データ」
戸建て住宅5,801人を含む8,713人を対象としたリフォーム利用実態データです。
国土交通省「我が国の住生活をめぐる状況等について」
リフォームの動機として、住宅の老朽化・劣化、長寿命化、設備の不十分さなどが上位に挙げられています。
