「外壁の汚れや色あせが気になってきた」
「屋根が古くなってきたけれど、まだ雨漏りはしていない」
「外壁塗装をした方がいいのか分からない」
戸建て住宅に長く住んでいると、外壁や屋根の状態が気になることがあります。
実際、外壁や屋根は風雨にさらされ続けるため、年月とともに少しずつ劣化していきます。
では、外壁や屋根が古くなってきたら、塗装をすればいいのでしょうか。
私たちは、必ずしもそうだとは考えていません。
外壁や屋根の表面だけを見て判断するのではなく、その下にある下地や断熱材、雨水の侵入など、建物全体の状態を見る必要があるからです。
また、これからその家に何年住むのか、どのように暮らしたいのかによっても、必要な工事は変わってきます。
今回は、京都で戸建て住宅のリフォーム・リノベーションを手がける工務店として、外壁・屋根のリフォームで私たちが確認していることや、工事を考える際のポイントをご紹介します。
外壁や屋根のリフォームの前に、暮らしの不満や住まいの不具合など、リフォーム工事全体の話から知っておきたいという方は、『京都の戸建てリフォームはどこから考える?暮らしの不満・住まいの不具合から考えるリフォーム』をご覧ください。
外壁や屋根のリフォームは「塗装すればいい」とは限りません
外壁や屋根のリフォームというと、まず「塗装」を思い浮かべる方が多いと思います。
確かに、外壁塗装は住宅の外観を美しく整えるために重要な工事です。
また、塗装によって表面の防水性能を回復させることも期待できます。
しかし、塗装はあくまでも基本的に「表面」に対する工事です。
例えば、外壁の塗装面よりも下に、
- 下地の劣化
- 雨水の侵入
- 木部の腐食
- 断熱材の劣化
- 構造部分の問題
などがある場合、塗装だけでは問題を解決できません。
見た目がきれいになったとしても、建物の内部に問題が残っていれば、リフォームとして十分とは言えない場合があります。
だからこそ私たちは、
「外壁が傷んでいるから塗装する」ではなく、「なぜ傷んでいるのか」「建物のどこまで確認する必要があるのか」
というところから考えます。
キトダ工務では、外壁・屋根だけのご依頼は多くありません
少し意外に感じられるかもしれませんが、キトダ工務では、外壁や屋根だけを単独で工事するご依頼はそれほど多くありません。
キッチンや浴室、間取り変更など、別のリフォーム・リノベーションのご相談をいただき、その工事の中で外壁や屋根の状態を確認することが多いからです。
例えば、住宅全体を確認していると、
「せっかくここまで工事するのであれば、外壁も確認しておいた方がいい」
ということがあります。
反対に、
「外壁は確かに劣化しているけれど、今すぐ全面的な工事をする必要はない」
と判断することもあります。
大切なのは、外壁工事をすること自体ではありません。
その家にとって、本当に必要な工事をすること。
私たちは、そのように考えています。
塗装だけでは補修できないケースがあります
下地に問題がある場合
外壁や屋根の表面だけを見ると、塗装で十分補修できる。このように見える場合でも、下地に問題があることがあります。
例えば、外壁材の内部や下地が傷んでいる場合です。屋根の場合も屋根の内側が台風や地震の影響で歪み出ていたり、傷んでいたりする場合です。
この場合、表面だけを塗装しても、根本的な問題が残ってしまいます。必要であれば、下地を補修してから仕上げることを検討します。
断熱材に問題がある場合
古い木造住宅では、現在の住宅と比べて断熱材の考え方や施工方法が異なることがあります。
中には、
- そもそも壁の中に断熱材が入っていない
- 断熱材が入っていても劣化している
- 壁の内部の状態を確認した方がケース(例えば、断熱材が入っているところと、入っていないところがあるなど)
という住宅もあります。
そのような場合に、「外壁が古いから塗装しましょう」だけでは十分とは言えません。
せっかく外壁を工事するのであれば、
「これから、この家で快適に暮らすにはどうすればいいのか」
というところまで考える必要があります。
もちろん、すべての住宅で断熱工事が必要というわけではありません。
住宅の状態やお客様のご希望、予算などを踏まえて、必要な工事を判断します。
雨漏りは「雨漏りしている場所」を直せばいいとは限りません
外壁・屋根の問題で特に難しいのが、雨漏りです。
雨漏りの場合、
「天井にシミがある」
「壁が濡れている」
というように「見えている」場所を見つけることはできます。
しかし、そこが雨水の侵入箇所とは限りません。これが厄介なんです。
雨水が住宅内部に入り込んだあと、柱や梁などを伝って別の場所まで移動し、最終的に水が溜まった場所でシミとして現れることがあるからです。
そのため、
「シミの真上を直せば雨漏りが止まる」
とは限りません。確かに疑うポイントではありますが、そこだけではない可能性があります。
雨漏りの原因を特定することは、実際にはかなり難しい作業です。
屋根だけでなく、
- 外壁
- 窓まわり(これは意外に多いです)
- ベランダ(二階のベランダが多いです)
- 屋根と外壁の取り合い
- その他の取り合い部分
など、住宅全体を見ながら原因を探す必要があります。
だからこそ、雨漏りについても、まずは実際の建物を見ることが大切です。
京都の住宅では、外壁・屋根の工事にも「現場条件」があります
京都の戸建て住宅では、外壁や屋根の工事にも地域ならではの難しさがあります。
例えば、
- 隣家との距離が近い
- 道路が狭い
- 足場を組むスペースが限られている
- 旗竿地で車両が近くまで入れない
- 資材の搬入や廃材の搬出が難しい
といったケースです。
特に隣家との距離が近い住宅では、足場の設置方法についても事前に確認が必要です。
また、旗竿地などでは、大きめの車両が建物の近くまで入れないことがあります。
その場合は、人力による搬入・搬出など、通常より手間のかかる方法が必要になることもあります。
こうした条件は、住宅の写真だけでは分からないことがあります。だからこそ、外壁・屋根の工事でも、現地調査が重要になります。
関連記事:京都の狭小地リフォーム|重機が入らない現場での工夫
古い木造住宅では「外壁の内側」まで考えることがあります
古い木造住宅をリフォームする場合、外壁の表面だけを見ていては分からないことがあります。
壁の中を確認してみると、
「断熱材が入っていない」
「断熱材が劣化している」
「下地に補修が必要」
といったことがあります。
もちろん、壁をすべて開けて確認する必要があるという意味ではありません。
住宅の状態や工事内容によって、必要な範囲を確認します。
重要なのは、
「外壁をきれいにする」という一つの目的だけで工事を考えないことです。
せっかく工事をするのであれば、
「この先も長く暮らすためにはどうしたらいいか」
「今より快適に暮らすには何ができるか」
という視点を持つことが大切です。
外壁と屋根は一緒にリフォームした方がいい?
「外壁を工事するなら、屋根も一緒にした方がいいですか?」
という疑問を持つ方も多いと思います。
これについては、
必ず一緒に工事した方がいい、とは言えません。
住宅の状態や今後のメンテナンス計画によって判断する必要があります。
一方で、外壁や屋根の工事では足場などの共通する仮設工事が必要になることがあります。
そのため、今後の工事予定や建物の状態によっては、一緒に工事するメリットがある場合もあります。
反対に、まだ必要のない工事まで無理に行う必要はありません。
私たちは、
「一緒に工事することが正解か」ではなく、「この家にとって何が必要か」 という視点で考えます。
「あと何年、この家に住みたいか」も大切な判断材料です
外壁や屋根のリフォームを考えるとき、建物の状態だけではなく、もう一つ大切なことがあります。
それは、
「これから何年、この家に住みたいのか」
ということです。
例えば、これからも20年、30年と暮らしたい家と、「あと10年くらい快適に暮らせればいい」という家では、必要な工事や予算のかけ方が変わってくる可能性があります。
もちろん、雨漏りなど放置してはいけない問題は別です。
そのうえで、
「今できるだけきれいにしたい」
「できるだけ長く住みたい」
「必要なところに予算を使いたい」
など、お客様の考えを伺いながら工事の内容を検討します。
高齢のお客様の場合も、「高齢だから全面的に新しくする」という考え方ではありません。
「これから何年住みたいのか」
を伺うことで、その方にとって無理のない、必要なリフォームを考えることができます。
キトダ工務が外壁・屋根のリフォームで大切にしていること
私たちが外壁や屋根の工事で大切にしているのは、
- 雨漏りを防ぐこと
- 建物を長持ちさせること
- 必要な下地補修を行うこと
- 費用に対して必要な効果が得られること
です。
そしてもう一つ、
「工事をした後、そこでどのように暮らすのか」
を考えることです。
キトダ工務では、職人としての技術と経験を持った自社スタッフが現場を確認し、工事を監理しています。
また、専門的な工事については、信頼できる専門業者の職人さんと一緒に施工することもあります。
大切なのは、外注か自社かという形式だけではありません。
それぞれの専門性を持った職人が力を合わせ、その仕事を理解している自社スタッフが現場全体を管理する。 そうすることで、建物の状態に合わせた、質の高いリフォームにつなげられると考えています。
外壁や屋根が気になったからと言って、「塗装する」と決めなくてもOK!
外壁の色あせや汚れを見て、
「そろそろ塗装しないといけないのかな」
と思うことがあるかもしれません。
しかし、最初から「塗装をする」と決める必要はありません。
まずは、
「最近、外壁が気になっている」
「屋根が古くなってきたけれど大丈夫だろうか」
「雨漏りが心配」
という段階で、住宅の状態を確認することが大切です。
実際に建物を見て、
「今すぐ工事した方がいい」
「ここだけ補修した方がいい」
「塗装で問題ない」
「もう少し様子を見てもいい」
と判断できれば、その後の計画も立てやすくなります。
さいごに|外壁・屋根は「塗装ありき」ではなく「住まいありき」で考えましょう
外壁や屋根が古くなってきたとき、まず「塗装しなければ」と考える方は多いと思います。
しかし、塗装は外壁や屋根の問題をすべて解決する工事ではありません。
下地や断熱材、雨水の侵入など、表面よりも下に問題がある場合は、別の補修が必要になることがあります。
また、
- 京都特有の狭い道路
- 隣家との距離
- 足場の設置条件
- 資材の搬入・廃材の搬出
など、現場によって施工条件も変わります。
そして何より、
「これから、この家でどのように暮らしたいのか」
によって、必要な工事は変わります。
外壁・屋根のリフォームは、見た目をきれいにするためだけの工事ではありません。
建物の状態を確認し、これからの暮らしを考えたうえで、必要な工事を選ぶ。
キトダ工務では、そんなリフォームを大切にしています。
