「収納が足りなくて、家の中が片付かない」

戸建て住宅で暮らしていると、こうした悩みを感じることがあります。

一方で、少し不思議なことに、

「使っていない部屋がある」

というご相談もあります。

特に、子どもが独立するなどして家族構成が変わった50代、60代以降の方からは、「以前は必要だった部屋を、今はほとんど使っていない」というお話を伺うことがあります。

つまり、

「収納が足りないのに、家の中には使っていない空間がある」

ということです。

このような場合、収納を増やすことだけが解決方法ではありません。

使っていない部屋を別の用途に変えたり、今ある収納を使いやすく作り変えたり、場合によっては屋外収納を利用したりする方法もあります。

私たちキトダ工務では、収納リフォームを考えるとき、単純に「収納を増やしましょう」とは考えません。

「今、この家をどのように使っているのか」

そして、

「これから、どのように暮らしたいのか」 を考えることから始めています。

※リフォーム全体のことから知っておきたい方は、先に「京都の戸建てリフォームはどこから考える?暮らしの不満・住まいの不具合から考えるリフォーム」からご覧ください。

収納が足りないのに、使っていない部屋がある?

家を建てたときと、今の暮らしは同じでしょうか。

例えば、お子さんが小さい頃には、

  • 子ども部屋
  • 大きなダイニング
  • 客間
  • 家族それぞれの収納

が必要だったかもしれません。

ところが、お子さんが独立すると、ほとんど使わなくなった部屋が家の中にできることがあります。

一方で、長く暮らしていると物は少しずつ増えていきます。

その結果、

「2階には使っていない部屋があるのに、1階は物でいっぱい」

ということもあります。

こうした場合は、収納を新しく作る前に、

「今ある部屋や空間を、今の暮らしに合わせて使い直せないか」

と考えてみることをおすすめします。

45歳を過ぎると、家に必要なものも少しずつ変わります

45歳、50歳、60歳と年齢を重ねるにつれて、家族構成や生活スタイルも変化していきます。

特に60歳を過ぎたお客様からは、

「部屋が余っている」

というお話を伺うことがあります。

昔は必要だった部屋が、今ではほとんど使われていない。

その一方で、

「物をしまう場所が足りない」

ということもあります。

このとき大切なのは、

昔の家の使い方に、今の暮らしを合わせ続ける必要はない

ということです。

家を建てたときから何十年も同じ使い方をする必要はありません。

今の自分たちに合うように、家の使い方を変えてもいいのです。

収納を増やす前に「使っていない空間」を探してみる

収納不足のご相談を受けたとき、まず考えたいのが、

「本当に収納スペースそのものが足りないのか?」

ということです。

例えば、

  • ほとんど使っていない部屋
  • 大きな押入れ
  • 使いにくいクローゼット
  • 階段下などのデッドスペース

がないかを確認します。

もし使っていない空間があれば、そこを収納として活用する方法があります。

あるいは、収納ではなく別の用途に変えることもできます。

使わなくなった2部屋を、一つのゆとりある部屋に

キトダ工務でも、実際に隣り合った2部屋を一つにつなげたリフォームがあります。

もともとは、

  • お客様ご自身が使っていた部屋
  • 使わなくなった和室

という2つの部屋でした。

そこで、この2部屋を一つにつなげることで、ゆとりのある一つの部屋にしました。

これは直接的に収納を増やした事例ではありません。

むしろ、

「使っていない部屋をどうするか」

という問題から、家そのものの使い方を変えた事例です。

このように、リフォームでは「収納を増やす」以外にも、家の中の空間を上手く使って収納をスッキリさせる選択肢があります。

事例の記事はこちらからご覧いただけます。

「収納が足りない」原因は、収納スペースの大きさとは限りません

収納について、こんな経験はありませんか?

「収納はあるのに、なぜか片付かない」

これは収納の大きさだけが原因ではないかもしれません。

例えば、

  • 棚の高さが合っていない
  • 奥行きが深すぎる
  • 物を取り出しにくい
  • 何をどこに置けばいいのか分からない

などです。全部、私自身も経験があります。

この場合、収納スペースを大きくするよりも、中の使い方を変えた方が解決することがあります。

収納スペースの大きさを変えず、棚を作り変えた事例

実際に、

「収納が足りないので、家の中が片付かない。何とかしたい」

というご相談がありました。

そこで現場を確認したところ、収納スペースそのものを大きくする必要はなく、

棚などを作り変えることで対応できそうだ

と判断しました。

収納の大きさはそのままに、内部の使い方を見直したのです。

完成後は、意外と大きめの物もスッキリ収納できるようになりました。

このような場合、単純に収納を増やすよりも、

「今ある収納をどう使えばいいのか」 を考える方が、暮らしに合った解決方法になることがあります。

使いやすい収納は「何を入れるか」から考えます

収納を作るときに重要なのは、収納の大きさだけではありません。

例えば、

何を収納するのか

衣類なのか、本なのか、掃除道具なのか、備蓄品なのか。

収納する物によって必要な奥行きや高さは変わります。

また、誰が使うのか

家族によって使いやすい高さは違います。

特に60歳以降の方の場合、毎回脚立に乗らないと取れないような高い場所は、あまりおすすめできません。

収納を使うたびに無理な姿勢を取ったり、脚立から転倒したりする可能性があるからです。

「高い・低い」の基準は人それぞれですが、

日常的に使うものを安全に取り出せるか

という視点は大切です。

奥行きが深すぎる収納にも注意が必要です

大きな収納があれば便利、とは限りません。

奥行きが深すぎると、奥に入れた物が見えなくなり、

・「何を入れたか分からない」

・「奥の物を取り出すのが面倒」

となることがあります。

結果として、収納スペースがあるのに使わなくなってしまうこともあります。

だからこそ、

収納量より、使いやすさ。

これも収納を考えるときの大切なポイントです。

コンセントと照明も、収納の使いやすさを左右します

収納を作るとき、意外と忘れられやすいのがコンセントと照明です。

コンセントがないと、掃除機を使うときなどに不便になることがあります。

また、収納の中が暗いと、

「何が入っているのか分からない」

「探すのが面倒」

となってしまいます。

特に年齢を重ねると視力の変化もあります。

収納の中を明るくして、物を探しやすくすることは、使いやすさを考えるうえで大切です。

収納は「箱を作れば完成」ではありません。

その中に入った物を、どう取り出して、どう使うのか。

そこまで考えて作ることが大切です。

収納を屋内に作らないという選択肢もあります

リフォーム工事で「物をしまう場所が欲しい」というご相談でも、必ずしも家の中に収納を増やす必要があるとは限りません。

実際に、屋内収納ではなく、屋外に物置を設置した方が良いと判断したケースもあります。

例えば、屋内に収納を作ることで居住空間が狭くなるのであれば、

「普段使わない物は外にしまう」

という方法の方が暮らしやすい場合があります。

もちろん、何を収納するのか、どのくらいの頻度で使うのか、設置場所はどうするのかなどを考える必要があります。

大切なのは、

「収納をどこに作るか」ではなく、「何をどこに置くと暮らしやすいか」 です。

収納だけではなく、「好きなものを楽しむ場所」にすることもできます

収納リフォームは、物をしまうためだけのものではありません。

使っていない空間を、自分の好きなことを楽しむ場所に変えることもできます。

キトダ工務では、映画がお好きなお客様から、大型ディスプレイを置くための台を造作でご依頼いただいたことがあります。

既製品を置くのではなく、その空間に合わせて造作することで、部屋の使い方に合わせた場所をつくることができます。

また、リビングと廊下を隔てる扉を造作した事例もあります。

その扉には若干の曲線を持たせ、明かりを取り込むためにステンドグラス調のガラスを入れました。

どちらも、

「収納が欲しい」という問題を解決するだけではなく、「こんな空間にしたい」というお客様のこだわりを形にした事例です。

家は、ただ物をしまって生活する場所ではありません。

好きなものを眺めたり、趣味を楽しんだり、家族と過ごしたりする場所でもあります。

事例の記事はこちらからご覧ください。

キトダ工務が考える「収納リフォーム」

私たちは、収納をたくさん作れば暮らしやすくなるとは考えていません。

大切なのは、

  • 何を収納するのか
  • 誰が使うのか
  • どこで使うのか
  • どのくらいの頻度で使うのか
  • これから家族構成がどう変わるのか

といったことを考えることです。

そして、場合によっては、

「収納を増やさない」

という選択肢や提案もあります。

  • 今ある収納を作り変える。
  • 使っていない部屋の使い方を変える。
  • 屋外収納を利用する。
  • あるいは、収納ではなく趣味の場所にする。

その家と暮らす人によって、答えは変わります。

関連記事:京都の戸建て収納リフォーム|造作収納と既製品の違い、どちらが暮らしやすい?

職人が現場を見るからこそ分かることがあります

収納や間取りを変更するリフォームでは、図面だけでは分からないことがあります。

既存の壁や床、柱などの状態を確認しながら、

「ここなら、こういうことができる」

「ここを変えるなら、こうした方が使いやすい」

と考える必要があります。

キトダ工務では、職人としての技術と経験を持った自社スタッフが直接ご相談にお伺いしています。

そのため、単に「収納を作る」という工事だけを見るのではなく、

その工事によって、家全体の使い勝手がどう変わるのか

まで考えることを大切にしています。

収納リフォームは「これからの暮らし」を考えるきっかけです

収納の悩みをきっかけに家を見直してみると、

「この部屋はもう使っていない」

「ここに物を置くと便利なのに」

「この収納は大きいけれど、使いにくい」

「夫婦2人なら、こんなに部屋はいらないかもしれない」

など、今まで気づかなかったことが見えてくるかもしれません。

そして、それは悪いことではありません。

家族が変われば、家の使い方も変わって当然です。

家を建てたときの暮らしに、今の自分たちを合わせ続けるのではなく、今の暮らしに家を合わせる。

そんなリフォームがあってもいいのではないでしょうか。

さいごに|収納を増やす前に「家の使い方」を見直してみませんか?

「収納が足りない」と感じたとき、まず収納を増やすことを考えるかもしれません。

しかし、解決方法はそれだけではありません。

  • 使っていない部屋を活用する
  • 隣り合う部屋を一つにする
  • 既存収納の棚を作り変える
  • 収納を屋外に移す
  • 使いやすい高さ・奥行きにする
  • 照明やコンセントを設ける
  • 趣味を楽しむ空間に変える

など、さまざまな方法があります。

大切なのは、

「収納をどれだけ増やすか」ではなく、「これからどんな暮らしをしたいか」

です。

キトダ工務では、今ある家の状態を実際に確認し、お客様の暮らし方やこれからの希望を伺いながら、必要なリフォームを考えています。

「収納が足りないけれど、どうしたらいいか分からない」

という段階でも構いません。

まずは今の家で感じている不便や、「こんなふうに暮らしたい」という希望をお聞かせください。

家を大きくするのではなく、今ある家を、自分たちの暮らしに合う家へ。

それも、リフォームの大切な役割の一つです。