戸建て住宅も30年を越えると、見えている部分、見えていない部分、どちらも少しずつ劣化が進んでしまうものです。これはいくら丁寧に使っていたとしても、毎日使う部分が大半なので、仕方のないことだと思います。

しかし「仕方がない」で放っておくと、やはりトラブルの原因になりやすいですし、一番の問題は「暮らしづらくなる」ことだと私は思います。

そこで、いきなりお家全体をリフォームしましょうというのは、難しいと思いますので優先順位を付けて、少しずつリフォームしていただきたい。そしていつまでも暮らしやすい環境で生活してもらいたいと思います。

リフォーム工事の優先順位

簡潔にお伝えします。次のような優先順位で考えてみてほしいです。

  1. 配管・設備更新(水回り)
  2. 浴室・トイレのバリアフリー化
  3. 耐震補強・構造補修
  4. 断熱・窓サッシ改修
  5. 屋根・外壁補修・塗装
  6. 床の張り替え(断熱+滑りにくい素材)
  7. キッチン全面改修

少し大きな視点で見ていただきたいのですが、住宅リフォームの優先順位は「水」が関わっている部分から手をつけていくのが理想的です。

というのも、水まわりは毎日使いますから劣化しやすいですし、トラブルが発生すると「本当に困る」部分が大半だからです。

3番目の耐震補強や構造補修に関しては、新築時にしっかりと対応されているお家もありますから必要が無いこともあります。ご自身のお家が対応しているのか、今となってはわからない場合は、お家の診断を専門に行っている会社がありますので、そちらへご相談いただいても良いですし、キトダ工務のような工務店にご相談いただいても構いません。

4番目の窓に関するリフォームですが、これは省エネや結露対策に有効です。

5番目の目的は「雨漏り対策」です。美観を保つという目的もありますが、雨漏り対策の意味合いが強いです。 6番目と7番目は、生活する上での身体への負担や安心を手に入れるリフォームだと言えます。

リフォーム工事の理由

1. 浴室(風呂場)のリフォーム

膝や腰への負担が増えてくると「転ぶ」可能性が高くなります。万が一のときにも安心できる「バリアフリー化(段差の解消・手すりの設置)」は大変意味のあるリフォームです。

昔の浴室は冬場が寒い。そして、タイルで滑りやすい。断熱性や安全性の高いユニットバスにリフォームすると、安心と快適が両方手に入ります。

また給湯器ですが、率先して交換する方、多くありません。車は数年ごとに乗り換えても、毎日動いている給湯器はというと、、、交換しないですよね。

そのため老朽化が進んでしまい、ある日突然にお湯の出が悪くなってしまう。これ、とても困ります。困る前に交換しましょう。 すでにお湯の出が悪くなっているなら、給湯器の交換をすぐに検討ください。放っておくと、お風呂に入ろうしたら「水しか出ない」というのは困りますから。

2. トイレのリフォーム

かなり減ってきていますが、もしお家のトイレが和式なら、洋式にリフォームすることで、立ったり座ったりするときの負担や不安を解消できます。

また、最近の洋式トイレが外国人の方が羨ましいと思うくらい機能が充実。自動洗浄や節水型、冬でも便座が暖かいなど至れり尽くせりです。 掃除がしやすいのも新しい洋式トイレで注目するポイントでもあります。

3. 床の張り替えや段差の解消

床の軋みやたわみが増えてきたと感じたなら、早めにリフォームしましょう。というのも、躓いて転倒する危険性が高まるからです。段差をなくし、滑りにくい床材にするだけでも、毎日の暮らしに大きな安心感が出てきます。

4. 屋根・外壁の補修・塗装

理由として強いのは「雨漏り」です。雨漏りってなかなか見つからないもの。万が一、お部屋の壁や天井、押入れの奥とかで「雨染み」を発見したら、出来るだけ早く屋根や外壁の修繕を行うようにしてください。

雨漏りを放っておくと、お家の骨組み(躯体といいます)の劣化を早めることもありますし、雨漏りの水が床下などに落ちていくと「白アリ」がやってくることもあります。

どちらにしても雨漏りは家にとって良いことはひとつもありせん。

5. 断熱材や窓サッシの改修

断熱材が入っている場合、まずは点検してもらいましょう。簡単に悪くなる部分ではありません。

どちらかというと「窓やサッシ」のリフォームの方が優先順位が高いお家が多いと思います。

窓やサッシを変えるだけで、お部屋のエアコンの効きが変わることもあります。また、お家の外からの音、お家の中から出る音が気になっている方は、窓とサッシを交換することでかなり軽減できるものです。

この「音」に関するリフォームですが「ガラスや窓」だけを交換しても効果が高くなりません。サッシ部分まで含めて交換することで、もっとも良い効果を発揮します。

というのも、音はガラスや窓よりも、サッシの隙間などから出入りすることが多いからです。

6. キッチンのリフォーム

理由はいろいろと考えられますが、一番は「高さ」ではないかと思います。

年齢と共に、手の届く範囲も変わりますし、かがむことも辛くなりますから。

後は、長年使っていることで水道まわりが劣化していることもあります。

7. 給排水・配管設備の更新

住み始めてから毎日使っているけれど、意識することがないのが給排水や配管設備です。

これは毎日の暮らしに大きく関わっています。しかし、目に見えづらい部分なので意識することがないんですね。

しかし、これからも快適に暮らすためには絶対に必要な部分ですから、リフォームを検討されるときは、まずは調査してもらってください。

さいごに

リフォーム工事には優先順位があります。また、それぞれに理由があります。

まずは優先順位の高い部分から検討していきましょう。

  • 業者に言われたから工事をする
  • 安いから工事を頼む
  • ご近所がリフォームしているから自分の家も同じ部分をリフォームする

こういう理由でリフォームすると、必要のなかった工事をしてしまっていることもあります。お家は全部違った形で劣化が進みます。天候だけではなく使い方によって劣化する部分が変わります。

これまでのお手入れ方法によっても大きく異なります。

でも、、、「どこからリフォームすれば良いのか判断しづらい」という方は、お近くの工務店さんやリフォーム専門業者さんにご相談してみてください。

京都、大阪、滋賀エリアの方であれば、私たち「キトダ工務」へご相談いただいても構いません。当社職人が直接お伺いし、ご相談を承ります。そして、もっとも適したご提案を差し上げます。

例えば、当社でリフォーム工事をさせていただいた事例ですと、こんな風に様変わりしました。

(1)洗面台の交換

(2)リビングの建具交換

(3)キッチンの水栓(カラン)の交換