断熱リフォームとは

建物の外から、そして内側、どちらからも「熱」が出たり入ったりします。この「出たり入ったりする量」が気温と合っていないと快適になりません。

例えば、京都の冬。底冷えします。こういう季節に「熱の出ていく量」が多い建物だと、いくら部屋の中で暖房をつけても「寒いまま」。

反対に京都の夏は酷暑です。最近だと40℃なんて当たり前。こんな季節に「熱の入ってくる量」が多い建物だと、冷房ガンガンかけても「暑いまま」。

こういった問題を解決するが「断熱リフォーム」です。 少しだけ専門的な言い回しをすると「建物の断熱性能を高め、熱性能や熱効率を引き上げる」リフォームです。

断熱リフォームで多い内容

断熱リフォームをする内容で多いのが次の2つです。

窓ガラスの二重化

窓ガラスの二重化です。これだけでもお部屋の断熱効果が高まります。しかし、本格的に考えるなら「窓ガラス」だけではなく、窓枠(サッシ部分)も一緒に検討してもらいたいところです。

外から入ってくる熱や、内側から外へ逃げる熱は、ガラスだけではなく「枠」の部分からも出入りしますので、やはり「窓」というひとつの部分としてリフォームする方が快適になりやすいです。

外壁材の変更

これは多くの方がイメージされる部分だと思います。外壁の材質や外壁よりも内側の断熱材などをリフォームすることで、家全体の断熱効果を高めることができます。

ただ、それなりに工事が大掛かりになりますので、外壁塗装や外壁修繕(雨漏りとか)と一緒に検討してもらいたいところです。

あと、天井部分にも断熱効果を高めるリフォーム方法がありますので、リフォームを真剣に検討されるときは施工会社に相談してみてください。

断熱リフォームのメリット

断熱リフォームでは、次の5つのメリットを感じやすい方が多いです。

光熱費の削減

家の中の熱効率を向上させるため、冷暖房の効率が高くなります。冷房や暖房の消費エネルギーは思っているよりも高いため、断熱リフォームをすることで多いところなら年間で約40%~60%削減できるという試算もあります。

実際60%までエネルギー消費を削減するのは難しいとしても、これまでの消費よりは削減できるというメリットはあります。

室内温度の安定化

夏は涼しく、冬は暖かく。一年を通して室内温度が安定しやすくなります。

特に季節による温度差が激しい

  • 浴室
  • トイレ
  • 脱衣場

などの急激な温度変化を緩和できます。

ヒートショック対策

リビングと脱衣場やトイレ・浴室など、お部屋間の温度差が激しい箇所がどうしてもあります。

そういったお部屋を行き来すると、ヒートショックを起こしてしまうことも。

最近では病院でも貼り紙を見られたことがあると思います(冬に目にすることが多いはず)。こうしたリスクを軽減できるのも、断熱リフォームのメリットと言えます。

結露やカビ・ダニなどの抑制

家の内側の窓や壁の温度が安定しますので、結露の発生を抑えることができます。そして、結露が抑えられるとカビやダニの抑制にもつながります。

さらに、壁の内部で発生する結露を防止することで、家の構造部分(躯体といいます)の腐食やシロアリ被害を防ぐことにも役立ちます。

住宅寿命の延長

結露やカビ・ダニ、腐食やシロアリなどから家を守れると寿命が延びます。

騒音対策や防音性アップ

断熱材や断熱リフォームによる窓ガラスや窓枠の性能によって、音の問題を軽減することも可能になります。

この場合の音の問題というのは、外から入ってくる音と、家の中から外へ出ていく音の両方です。

断熱リフォームをおすすめする年齢層

おおよそですが、次のような年齢層の方におすすめです。

  • 定年前後(60代)の方
  • リフォームしやすい50代~60代

まだまだカラダも元気で、リフォーム中でも生活が辛くならない。そんな年齢の方に向いています。

70代以上の方となると、窓ガラスや窓枠の断熱リフォームなら工期も短いので問題ありませんが、家全体の断熱リフォームとなると、一時的に仮住まいなど落ち着いて生活できる場所へ移ってもらい、その間にリフォーム工事を進める。こういうプランニングを取り入れてもらうと身体的に楽です。

断熱リフォームを検討するときのポイント3つ

施工業者の信頼性

何をおいても施工業者の信頼性です。いくら見積費用が安くても、きちんとした工事をしてもらえないと意味がありません。

とはいえ、なかなか選ぶのが難しいポイントです。そこで注意してもらいたいポイントとして一つお話すると、「営業ではなく工事を分かっている職人が窓口になっている」ところが安心です。

換気と湿気対策

断熱リフォームを行うと気密性が高まります。ということは換気と湿気対策が出来ていないと、家の中の熱や湿気がこもってしまいます。

リフォーム内容によっては、24時間換気システムの導入などが必要になってきます。

コストと効果のバランス

断熱リフォームは、自分達が必要としていることに適したグレードの内容を選びましょう。長期的な視点で考えることが大切です。

ここでも「何が必要なのか」を現場経験から理解している「職人」が窓口になっていると安心して相談できます。

さいごに

少し前ですと断熱リフォームは「寒さ対策」のためというような印象がありました。しかし、昨今の酷暑を体験すると、暖房だけではなく冷房に関しても何とかして効率よく涼しくしたいと感じておられるはず。

地域にもよりますが、最近の日本は暑すぎ・寒すぎ・長雨というように極端です。リフォームを検討されているのなら断熱リフォームも一緒に考えてみてください。季節を問わず、生活する上での快適さが変わります。