住宅価格の高騰が続いています。そのため最近では中古住宅の人気が高まっています。
中古住宅は新築に比べて割安感があります。また中古住宅は適切な改修(リフォームやリノベ)を行うことで、自分達も暮らしやすくなりますし、不動産として価値をアップさせることも可能です。
今後も人気が続きそうな中古住宅のリフォーム術についてお話します。
中古住宅に適したリフォーム術

断熱性能の強化(窓・壁・床)
中古住宅は断熱性能が低いことが多く、断熱性能は快適さに直結します。
特に窓の交換(アルミ → 樹脂サッシ + 複層ガラス)は、費用対効果が高く、暖冷房費の削減にも有効です。
<メリット>
- 夏涼しく冬暖かくなる(キトダ工務の仮事務所で実感しました)
- 結露・カビ対策
- ZEH基準に近づければ資産価値が上がる
水回り設備の刷新(キッチン・浴室・洗面・トイレ)
中古住宅の「古さ」を最も感じやすいのは水回りです(これは店舗でも同じです)。 水回りを新しくすると生活の質が大幅に向上します。さらに、不動産として運用する場合でも水回りが新しいことはプラスになります。
<メリット>
- システムキッチンで収納力アップ
- 断熱浴槽 + 追い焚き機能で使い勝手アップ
- 節水型トイレ
- 洗面台は三面鏡がおすすめ
- 水回りに収納力アップでスッキリ
間取りの最適化(不要な壁の撤去で広く使う)
築年数が古いほど、細かく仕切られた間取りが多いです(日本住宅の典型です)。
「LDKを広くする」「回遊動線をつくる」など現代のライフスタイルに合わせることで、使い勝手の良い住宅になります。また不動産としての評価も上がります。
<間取り変更の例>
- 和室とリビングをつなげて広いLDKに
- キッチンの壁を取って対面式に
- 収納不足なら納戸やWICを新設
内装の更新(床・壁・照明)で統一感を
内装は住む人の第一印象を左右します。
特に「床材」や「照明計画」は費用の割に見た目の変化が出やすい部分です。
<おすすめの内装>
- フローリングは「木目が落ち着いたオーク系」が人気
- 壁紙は白からグレーを基調にした高耐久クロス
- ダウンライトや間接照明で高級感を演出
外観・玄関周りのアップデート(外壁・玄関扉・アプローチ)
外観は「見た目の古さ」を最も感じさせる部分。また将来的には、資産価値に直結するポイントです。手を入れておきたい部分です。
<外観・玄関周りの例>
- 外壁塗装
- 断熱玄関ドアへの交換(防犯性・快適性アップ)
- ポスト・表札・照明の交換でエントランスの印象を改善
防音性能をアップ
上記でお話したリフォームやリノベ以外で中古住宅を改修する際に「暮らしやすさ」と「資産価値の向上」の両方に効果が期待できるのが防音アップの改修です。
予算や工期に余裕がある。不動産価値を高めておきたい。自分達らしい暮らしやすさを追求したい。こういったご要望がありましたら、検討いただきたい部分です。
窓の防音強化(最も効果が高く費用対効果も良い)
外からの騒音対策のスタートは「窓」です。中古住宅は単板ガラスのことが多く、ここを変えると劇的に静かになります。
防音性能の高い「内窓(インナーサッシ)」の設置や、窓自体を「防音合わせガラス」へ交換するのがおすすめ。
比較的簡単な改修ながらも、外の交通騒音・通行人の声などが大きく低減しやすいですし、断熱性も上がるため暮らしアップや価値アップにつながります。
壁の防音補強(遮音シート+石膏ボード重ね貼り)
室内の生活音を外へ漏らしたくない。このご要望も多いです。特に隣家との境壁が薄い場合には大変有効。何より「気兼ねすることが減る」のが一番。
方法としては、
- 壁を一度剥がし、遮音シートを挟む
- その上から石膏ボードを二重貼り
- 必要に応じて吸音材を充填
やっておくと次のようなメリットも期待できます。
- 壁の厚みが増えるので、遮音の基本性能が大幅に向上
- TVの音や会話が外に響きにくくなるので気兼ねすることが減る
床の防音対策(遮音フローリング or 二重床)
床を浮かせて衝撃音を吸収する
上下階に音が響きやすい中古住宅では有効です。
一般的な方法として3つあります。
- 遮音性能が高いフローリングに張り替える
- 床を浮かせて衝撃音を吸収する
- 遮音マットを下地に入れる
フローリングの張り替えが簡単です。気をつけて室内や廊下を歩いてもドスンドスンと音がする場合は、遮音マットを下地に入れる方法も合わせて検討したいところです。
床の防音対策をすると、次の「気になること」を減らすことができます。
- 足音が減る(気になりだすとイライラの原因になることも)
- 椅子を移動したときの音が減る(結構ストレス度の高い音です)
- ドーンという低音が響く床鳴りが改善する(これが意外に多いです)
天井の吸音・遮音強化(上階の足音対策)
天井からの音が気になるケースもあります。
こういうケースでは、天井に吸音材を追加するのがおすすめです。吸音材だけでは音が軽減しにくい作りの場合は、防音ボードと遮音シートで天井をリフォームすると軽減します。 天井ってリフォーム優先度が低いところですから、古い天井をリフォームすることで音の問題だけではなく、生活空間もリフレッシュさせることができます。
ドア・間仕切りの防音化(部屋間の音漏れ対策)
ドアや間仕切りからの音漏れが気になる方は、隙間を減らすリフォームを検討しましょう。
例えば、
- 隙間が多い既存のドアを防音ドアへ交換する
- 交換が難しい場合は気密パッキンを追加する
- スライドドアは音が漏れやすいので、可能なら開き戸に変える
部屋からの音漏れを改善できると
- テレワークの音環境が改善
- 趣味部屋の音問題が改善
- 寝室が快適に
こんなメリットが出てきます。さらに住宅の付加価値(使い勝手の良さ)アップにつながるので、やっておいて損はありません。
さいごに
中古住宅はリフォーム(またはリノベ)することで暮らしやすさをアップできます。また、資産価値も高くできますので、将来の不動産収入物件としても活用しやすくなります。
中古住宅の購入を検討されている方は、参考にしてみてください。
